NATO軍御用達SEM-52Aについて

冒頭の写真がNATO軍の御用達だった軍用無線機SEM-52Aで生まれは確か1971年頃ですのでほぼ半世紀近く前のものとなります。

手前に写っているのは専用のヘッドセットでC型の穴が開いている所に耳たぶを入れて頭にバンドで固定するようになっています。

このバンドも付属していたのですが何だか汚らしいので外してしまいました。

それから、SEM-52Aの送受信の周波数範囲は47MHz~57MHz、チャンネルセパレーションは25kHzになります。

前回紹介したSEM-52Sは52Aの改良型で確か1984年頃に出てきた無線機で内部に周波数シンセサイザを内蔵しております。

しかしSEM-52Aは周波数シンセサイザを内蔵していない代わりに周波数ごとに水晶振動子が用意してあって、ターレット式の切り替え機構で所望の周波数を選択することができます。

しかし、全てのチャンネルの水晶を手に入れようとすると400チャンネル、400個位の水晶振動子を持っている必要があり、現実的ではありません。

まあ頻繁に使う周波数だけを入れておくといった使い方になるのだと思います。

さて、この無線機に標準で付いているアンテナですが長さがうんと長いです。

カメラを引いて撮りましたがアンテナの長さが分かるかと思います。

それからSEM-52Sとの比較のために側面の写真を並べて撮りました。

ちょいピンボケですが左がSEM-52Aで右がSEM-52Sで大きさの違いが良く分かるかと思います。

正面からの写真も撮ってみました。

これも左がSEM-52Aで右がSEM-52Sです。

SEM-52Sは「周波数シンセサイザ」を内蔵した代償に「大きさ」「重さ(約1.5倍)」「消費電力」「感度」の4つの利点を失いました。

因みにSEM-52Aの「重さ」は電池を含んで600gです。

「感度」がSEM-52Aの方が良いのは水晶振動子の乗っているユニット基板に同時に乗っている周波数で必要な同調回路のバリキャップ電圧を得るための抵抗器が最適にチューニングされているからなのです。

こうしてみると両方ともそれぞれに魅力があって甲乙つけがたい無線機ですね。

この無線機の使い道ですがRT841/PRC77で音楽を放送しそれをSEM-52Sで受信して家の中の何処でもBGMが聴けるようにしています。

SEM-52Aは感度が良いのでもっぱら愛車17クラウンに積んで電波伝搬の実験に用いております。

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