Dynaco PAS3について

今日はきかこのオーディオコレクションの一つでありますDynaco PAS3について書きたいと思います。

Dynaco PAS3はその昔キットで販売されておりました真空管式プリアンプです。

複雑な回路部分はプリント基板を使用した設計であり、はんだ付けができる人ならば誰でも完成できる代物のようです。

諸元表は以下の通りです。

型式 管球式ステレオプリアンプ
周波数特性 10Hz~40kHz ±0.5dB(Aux)
高調波歪率 測定限界以下 混変調歪率 0.05%以下(2V定格出力時)
SN比 Phono:74dB 、Aux:85dB
Phono許容入力電圧 250mV
出力電圧 10V/100kΩ
トーンコントロール Bass:±20dB(20Hz)Treble:±18dB(20kHz)
使用真空管 12AX7:4本、12X4:1本
外形寸法 幅343×高さ108×奥行230mm 重量 4kg
消費電力:190W

この中で出力電圧の項目を見ますと10V/100kΩとなっておりましてプリアンプとしては出力インピーダンスが高いです。

これはマランツ7のような出力バッファー回路(カソードフォロア)を設けて出力を出していないためです。

ですのでプリアンプの出力ケーブルはあまり長くすることができません。

その代り使用真空管数も少なくシンプルな回路構成で良い音がします。

きかこが入手しましたPAS3はジャンク品で真空管も無く外観もあまり綺麗でない個体でした。

しかし内部は何ら手が入れられていない状態でオリジナル部品で構成されていたのはラッキーでした。

コンデンサーにはBLACK CATが使用されております。BLACK CATはなんと全て生きておりました。

また、このダイナコはヒーターのDC点火用セレン整流器が生きていてそのまま使うことが出来たのはラッキーでした。

とりあえず真空管を刺してphono入力の周波数特性を測ってみました。

結果は以下のグラフのように右チャンネルの周波数が盛り上がっており高域側の補償回路が効いていないようです。

これの原因はおそらく高域補償用の100kΩと750pFのイコライザー素子が接続されていないと狙いをつけました。

結果的にはこの狙いはビンゴでプリント基板にパターンクラックがありイコライザー素子が正しく回路に接続されていなかったのです。

不具合はこれだけではなく左チャンネルから出力が出ないという問題もありました。これはオシロスコープで丹念に信号を追いかけることで原因を突き止めることができました。

原因はテープデッキの接続切替スイッチの接触不良でとりあえずスイッチを何度も動かすことで導通が復活したのでそのままにしてあります。

このDynaco PAS3は専用のウッドケースに入れられ福島の実家のオーディオルームに飾られております。



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