小型送信管であります1626を使ったアンプですが電源トランスに余裕の無いものを使ったためにトランスの表面温度が51℃にもなるのでどうも精神衛生上良くありませんでした。
また、出力も方チャンネル0.5W程度しか出ないこともあり+B電圧をもっと上昇させたいと考えておりました。
しかし、単に電源トランスを交換するだけでは電源の平滑コンデンサーの耐圧が不足しますので電解コンデンサーを直列にして耐圧を上げることもしなければなりません。
これが電解コンデンサーを直列にした配線具合です。
せっかく綺麗に配線したのに醜くなってしまいました。
左側は中国製トランスでBT-3H@3300円(ラジオ少年様)右側が交換するトランスで東栄変成器様のP-100N@8975円です。
大きさはちょっとだけ大きいといった感じでしょうか。
トランスの角穴をP-100Nに合わせて大きくします。
こんな時、簡単でもいいので図面が書いてあると便利です。
古いトランスBT-3Hの配線周りで結構綺麗に配線されているでしょう。
これを泣く泣く配線を外してトランスを取り外します。
トランスを比べてみました。
左側が今まで使っていたBT-3H、右側がP-100Nで大きさの違いが良く分かります。
シャーシーに罫書き線を入れまして罫書き線のところまでやすりで削っていきます。
この作業がなかなか大変で右腕が筋肉痛になりましたよ。
新しいトランスが無事に収まりました。
それから配線の方も行います。
電源のタップですがBT-3Hの220VタップからP-100Nの280Vタップに配線します。
と、簡単に書いておりますがアース母線の引き回しを変えたり結構大変でした。
出力は8Ω負荷で8Vp-pでしたので(8/2/1.414)^2/8≒1Wの出力が出たことになります。
プレート損失を調べてみると6W以上であることが分かりました。
1626の最大プレート損失は5Wなので上手くありません。
泣く泣く電源トランスのタップを280Vタップから250Vタップに落とし、プレート損失は約5.1Wに落ち着きました。
出力は7Vp-pに低下しましたので(7/2/1.414)^2/8≒0.76Wということになります。
それにしても何だか大げさな改造をしたのですがその割には71A程度の出力しか得られず「なんだかな~」と思うアンプです。
オーディオラックに入れて試聴しましたが音は素晴らしく良く、トランペットはトランペットらしく、サックスはサックスらしくまるでそこで演奏しているかのようです。
トランスの発熱ですが47℃まで下がりましたのでしばらくは安心して使用できそうです。