テレビ用管10GF7Aのオーディオへの応用検討

テレビ用の水平出力管であります10GF7Aという真空管がオーディオ用として使えないか検討しようと昔から思っていたのですがなかなか暇も無く検討できませんでした。

しかし今回の休暇(療養)で時間がかなりできましたのでその検討を実際に行うことにしました。

10GF7Aはマグノーバルの複合管で純三極管が2個封入されていまして片方はHiμの3極管、もう片方はプレート損失が10Wも取れるパワー3極管です。

従いましてHiμ3極管部で前段の電圧増幅を行い、パワー部の3極管をドライブするという1球でアンプができてしまう構成を取ることが出来そうです。

さて、冒頭の写真は今回の企画のために新規に購入しました東栄変成器製の電源トランスP-185B型で、10GF7Aシングルアンプに使えるのではないかとあまり考えないでチョイスしたものです。

タップは20V-175V-185V 80mA/6.3V-12.6V-14.5V-16V 0.9Aでお値段は約3800円でした。

届いてから気づいたんだけれど二次側の+B電圧用20V-175V-185V 80mAですが括弧してあってDC50mAと書いてありました。

これじゃ+B電圧に片チャンネル25mA分しか使えません(出力が取れないじゃん!)。

しかもヒーター電流ですが10GF7Aの電流をデータブックで調べてみると9.7V0.6Aなのでステレオにすると9.7V1.2Aになって足りないじゃないですか。

ちょっとトランス選定を失敗したかな~と思いましたがここは実験して「本当にダメか」調べてみることにしました。

これが実験の風景ですがミノムシクリップを多用してヒーター点火部分の実験回路を組み上げております。

写真紹介が遅れましたがこれがマグノーバル管であります10GF7Aでヒーター電流をP-185Bから2本分を供給してます。

1本分のヒーター電力が約6Wですからヒーターだけで結構ガラス管が熱くなります。

ちょっと話がそれるんですがこの実験中にヤフオクで落札しましたマグノーバル管用のソケット2個が届きました。

ところが2個のうち1個が不良品でソケットがゆるゆるだったんです。

このゆるゆるを千枚通しで調整してなんとかコンタクトが出来るようにしました。

本当は返品するのが筋なんですが面倒なので自分で調整しちゃいました。

さて、話を戻しまして0.9Aの所を1.2A取って大丈夫であるかですが結局30分位連続運転しましたが大丈夫みたいです。

電力で計算するとこの電源トランスのヒーターは16V×0.9A=14.4Wの出力が取れるわけです。

それを実際は9.7V×1.2A=11.64Wの負荷を取ることになるんで約3W分の余裕があると考えることが出来るんですね。

ですので大丈夫であると結論付ました。

それからこのアンプに使うOUTPUTトランスの話なんですが昔購入しました春日無線変圧器製のOUT-54Bー57型が手持ちに1個ありましたのでそれをもう1個買い足しました(@約2600円)。

ところが買い足したトランスが届いてみてびっくりです。

トランスの色が昔と違っている上に隙間から見える巻き線の処理具合が違っていて「本当に同じトランスなのか?」と疑問に思いました。

でもまあテレビ用の水平出力管10GF7Aでアンプを作るなんて酔狂なことですのでこれくらいの違いは「まあいいか。。。」ってことで済ませようと思います。

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