10GF7Aシングルアンプの実験

10GF7Aというテレビ球を用いたシングルアンプを企画しておりますがとりあえず実験のためにざっと回路設計してバラックの実験をすることにしました。

冒頭の写真がちょっと見にくくて申し訳ないのですが手書きの回路図です。

特に説明するほどないくらいにシンプルな回路ですが特徴的なのは電源の平滑回路に今回はチョークトランスを用いないで抵抗で済ませている点です。

この理由はアンプの重量を軽くしたかったということと、コンデンサに680μF250Vという大容量のものが入手できたので平滑はこれで十分だろうと判断したことにあります。

まずこれでどれだけの能力のアンプになるのかバラック回路を木板上に組立実験を行うことにしました。

次の写真が実験で仮組したバラック実験の風景です。

トランスの2次側タップは20Vと175V間を用いまして155Vをブリッジ整流して+B電圧としております。

整流後の+B電圧はヒーターが温まり電流が流れる状態で約200Vが得られました。

総電力ですがヒーター回路が9.7V×0.6W=5.82W、B電圧回路は200V×0.03A=6W、でしたので12Wが真空管に入力されていることになります。

さて、早速入力にテストオシレーターを繋ぎ、出力トランスの2次側にダミー抵抗を接続して最大出力を調べてみました。

周波数は1kHzで調べてみました。

ダミー抵抗の両端にオシロスコープを繋いで正弦波がクリップする点まで入力レベルを上げていきます。

正弦波がクリップするのは8Vp-pの所でしたので最大出力は(8V/2/1.414)^2=約1Wの出力が得られたことになります。

と、簡単に書いておりますが冒頭の写真の回路になったのは「歪みの具合が最良で最大出力になる」定数をカットアンドトライして決めた結果なんですがね。。。

早速この状態(モノラル)で試聴してみました。

まず電源を入れて驚くのはS/Nの良さです。スピーカーに耳を当ててもハム音が一切しません。

これは680μF×2のコンデンサが功を奏しているのだと思います。

スピーカーにはタンノイⅢLZ、カートリッジはエンパイア4000DⅢ、プリアンプはマランツ7Kを用いました。

最初に試聴に用いたLPはマイルスデイビスのカインド・オブ・ブルーです。

う~ん、テレビ用の真空管なのに、とてもよい音です。

きかこは文学的な表現は苦手なのですがトランペットの音がまさにそこで鳴っているかのように聞こえます。

暫くはこのバラックの状態で試聴を続けてみようと思います。

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