ナカミチ 482zを修理

ぼったくり修理業者から戻ってきましたナカミチの482zですがここは腰を据えて”きかこ”自身で修理することにしました。

こんなことならば最初から修理業者などを頼らずに自分で修理する方針にしていれば見積もり代金4000円、往復の送料2800円、の合計6800円無駄にしないで済んだものを。。。お金が無いのに無駄遣いしてしまいました。

自分で修理しようと決心できたのはネット上から482zのサービスマニュアルをGETできたからなのです。回路図があれば”きかこ”は無敵です。

さて、実際の修理内容ですが一番の問題点でありました録音ができないというトラブルに関して色々と調べてみるとバイアスの発振器が発振してないことが分かりました。

これじゃ録音できないわけだよな~。この発振器の出力はイレースヘッドと録音のバイアス回路両方に行っております。消去もできない理由が良く分かりました。

で、発振しない原因を詳細に調べてみるとなんと発振回路に使われているオレンジ色のフィルムコンデンサ4700pF2個のうち片方が短絡しておりました。発振しないわけです。左側が短絡していたフィルムコンデンサ、右側が代替えのセラミックコンデンサです。

後から分かったことですがこのオレンジ色のコンデンサーはオールドナカミチに多く使われていて「オレンジキャップ」と呼ばれ経年劣化で内部のマイグレーションの影響で短絡、もしくは数十Ωになってしまうのは有名な問題なのだそうです。

これをセラミックコンデンサに交換することでバッチリ発振しましたよ。録音もできるようになりました。

それから、送り側のキャプスタンとピンチローラーの接触圧が弱く再生が安定しないのでここの部分を思い切って分解清掃致しました。

メカ分解なのでちょっと心配でしたがヘッドを外せるところまでのアクセスは難しいものではありませんでした。

ここの写真を撮っておけばよかったのですが作業に夢中で撮り忘れました。

ピンチローラーを上下させるアームの支点がかなり固着しており分解に苦労しました。引っ張ってもなかなか抜けず思い切って力をいれたら支点のシャフトが台座から抜けてしまいました。ここはあわてずにシャフトをアームから抜いてアルコール洗浄した後にシャフトを台座に圧入しました。

この施策でピンチローラーとキャプスタンの圧着力が回復し安定なテープ走行が出来るようになったのです。

ナカミチのデッキの凄いところはピンチローラーと一体になっているテープガイドの調整がアームの支点のプラネジで出来ることです。ていうか、このテープガイド2か所(送り側と受け側)、消去ヘッド、録音ヘッド、再生ヘッドが自由に調整可能な構造になっています。

調整出来るということは組み付けが大変ということです。テープガイドの調整には本来は専用の治具を使って行うようです。”きかこ”は消去ヘッドの位置が合っているものと仮定してテープガイドの位置を調整しました。

テープガイドで並行かつ消去ヘッドに正しくテープが接触する位置に調整できたら次はヘッドです。これも今調整したテープの位置に合わせて調整しました。本来ならばこれらも治具を使って調整するみたいです。

これでメカ調整は大体終わりですので試聴してみました。何だか音が歪みっぽいです。この原因もオレンジキャップが原因かと目星を付けて基板上のオレンジキャップをテスターで順に調べていきました。そしたら不良が見つかる見つかる。音声関係で8個の不良コンデンサを見つけましたよ。

これらが交換したコンデンサーで0.033uFと0.01uFのオレンジキャップです。代替えのコンデンサーは手持ちの0.1uF、0.01uFセラミックコンデンサです。

このコンデンサーの交換作業は面白かったですね。一個交換するごとに試聴していったんですが交換する度にどんどん音がクリヤーになっていくんです。最後の一個を交換したときはこれそナカミチサウンドという音になりました。

というわけで修理が完了したのですが修理のしごたえがあり、それが結果になって現れるという楽しい作業でした。これに味をしめて680zxを落札しちゃいました。また修理を楽しめそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です